赤裸Liar

沼の底からこんにちは!

私は、秩父宮豪雨ライブの現場にいた。

「美談にしたいだけだ」という意見も受け止めます。確かに私はこの話を美談として記憶に留めています。大変な思いをした方がいらっしゃるのは重々承知の上、あくまでも私の目で見た、私の体験を書きましたという事を前置きさせて頂きます。

 

毛先から滴る雨水を含んだ綺麗な金髪を掻き上げると、また意志の強い瞳を客席に向け、体調を崩したファンを目ざとく見つけてはスタッフに引き渡す。
緊張感の中でもファンに声かける瞳はいつもの優しいまなざしだったから、余計にその姿はまるで本物の王子様のようだった。

不謹慎にも、
ああ、この景色はきっと、どんな芸術よりも美しい。
そう思ってしまった。

 (読み返したら当時の日記に書いてあった言葉です。高2のクソガキでした)

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2013年7月27日
いわゆる、<パーナさん事件>です。

報道されているよりもっとずっと素敵でドラマティックで美しく、形容しがたい時間でした。
言葉にできないけれど、言葉にしなくていいんだろうな、と思っていました。

しかし、あの日の後にNEWSのファンになられ、この出来事を直接知らない皆さまが、Twitterなどで「こんなことできるNEWSってすごい」というようにまとめサイトのスクショや引用を呟いていらっしゃって。
それが拡散されていますが、盛大な勘違いや報道によって盛られた間違ったエピソードが多数散見され、悲しく思っておりました。

炎上した事件のことがまず先行し、その上、報道に間違いが多すぎるのです。
盛りすぎ、悪く言いすぎ。

 

だから記憶を掘り起こして、実際に現場にいた私の見た秩父宮のあの日を出来るだけ言葉にしてみます。

①報道との相違点
②実際に当日の会場はどうだったのか
③振替公演日の話

この3つに大きく分類して、お話をすすめてまいります。

 


人のやさしさが集まるとこんなにも素晴らしいのか、と。
思春期真っ只中だった私には、影響されるには十分すぎるくらい強烈な記憶、忘れることのできない思い出として心に残っています。

必死になって会場を駆け回るNEWS、たくさんの笑顔と優しい言葉で安心させようとしてくれるNEWS。
スタッフの静止を振り切って、傘を断ってファンを見送る決断をしてくれたNEWS。
そして「暗いから気を付けてね!」と優しい言葉の飛び交う会場内。傘やタオル、雨具の貸し合い。
口々に交わした、「明日また、絶対ここで会いましょう!」
もう4年も前のことになりますから記憶違いも発生しているでしょうが、その場に居合わせた人間の思い出話をどうか聞いてください。


①報道との相違点

その日の降水確率は20~30%だったと記憶しています。
なんでも秩父宮公演2デイズの2日目だったのですが、1日目の26日は降水確率50%超えで危うい予報でした。
事実26日の雨具所持率は高かったでしょうが、27日の予報を見て安心して雨具を置いていった人は多かったと思います。
周囲からも「昨日は持ってたのに!」という声が多く聞こえました。
私と相方も、この予報を受けて傘を置いて行ってしまいました。

昼間は暑くて暑くて。グッズ売り場でも熱中症を訴えて日陰でぐったりしている方を見かけました。
だから本当に、いわゆる「ゲリラ豪雨」。


では1つずつ、私のモヤモヤを書いていきます。

 

手越祐也は土下座していない


「手越が土下座」というニュースが当時も今も回っていますが、彼は土下座していません。
じゃあ何だったかというと、「膝から崩れ落ちた」んです。

膝から崩れ落ちた状態で頭を抱えていたので、まるで土下座しているように見えなくもなかった(いや私にはどこからどう見ても土下座には見えなかった)んだと思います。

「明日来れない子いるの?」という問いかけの後のファンの声を聞いて崩れ落ちた、というツイートを見かけましたが、私の記憶が正しければ違います。
そのタイミングではなかったはずです。
ただ崩れ落ちてやるせない思いをかみ殺しているような印象を受けました。


②報道ほど続々と、バッタバタ人が倒れていたわけではない


ファンが相次いで倒れた、と誇大報道されていますが、そんな何かの映画かのように片っ端からバッタバタ倒れていたわけではもちろんありません。
ただ勘違いして欲しくないのは、事実、過呼吸や体調不良を訴えて救護を受けた方は決して少なくありません。
あの雨で体調不良になった方は相当数いるでしょう。私も救護こそ受けなかったものの、低体温で震えが止まりませんでしたし、翌々日に高熱を出しました。

後にも記載しますが、翌日の振替公演は前日のネット上の騒ぎがウソかのように普通に満員でした。
私の周りの席の、「明日また逢いましょうね!」と誓い合った一期一会の仲間も勿論全員いました。
誇大報道をあざ笑うかのようにみんな元気で、すごく安心したのを覚えています。


③医療従事者が救護に協力していた/御礼があった

 

こういう素晴らしいことは報道されないんだから。

その場にいて救護にあたった医療従事者のファンには後日NEWSから直筆のお礼状が届いています。
私はこれを聞いたときに心底すごいグループだと感心しました。
お礼状なら事務所から送ればいいものを。なんならサインだけとかでいいものを。本当の直筆でした。すごい。


④会場内、参加者は報道以上にとても冷静だった

 

Twitterで沢山、たくさん上がっていた、
「レイプ車が会場付近を走っている」
「警官の格好をしたファン目的の不審者がいる」

そんなもの見てません。
駅までの道のりを、みな冷静に迅速に行動していました。
駅前のミニストップでタオルや飲み物など各々普通に買い物をして、びちょびちょではありましたが帰路につきました。

「おにぎりや食料をタダで配布してください!」

当然ですが「おにぎりをタダでよこせ」など非常識なことを宣う輩なんぞおりませんでした。
普通に、普通に買い物してました。全員。
だって雨に濡れただけだし。お金盗まれたわけでもないし。

「泊まれるホテルを用意してください!」

事実翌日の公演は私の近くでは全員揃っていましたし、会場も普通に満員でした
外せない予定やお仕事などで止むを得ず参加できなかった方はいらっしゃったでしょうが、翌日が日曜日であったことも不幸中の幸いでした。
遠征の方がどこにお泊りされたかは分かりませんが、「翌日ちゃんと、みんないた」というのが紛れもない事実ではないでしょうか。

 

余談中の余談ですが、当時のNEWSは今以上にファンの年齢層が高かった(若いファンの人数が多くなかった)のです。
私のような高校生は美人ばかりで引け目を覚え、「こんな素敵な大人にならなくちゃ」と常に考えておりました。
パニックになっている方はおりませんでしたし、恐らく1日の急な宿泊に困ってしまうほどギリギリでいつも生きている方や非常識極まりない方はネットで騒がれていたほどいなかったでしょう。


【総括】


なぜあんなにパニックになってしまったのか?
それは長らく議論されておりますが、私はこう考えます。

・その場に居なかった人が、勝手にその場を憶測して余計な優しさ(お節介)を働いた
・状況を面白がった人が出まかせをツイートした
・出まかせを信じた人が優しさ(お節介)で拡散した

帰りの電車の中で相方と顔を見合わせて首を傾げたのを覚えています。
「え?こんなんなってんの?大丈夫?いつから?
いつから?というのは、私たちが会場を出た時点ではこんなパニックや混乱は一切起きていなかったので不思議に思ったのです。
それでも画面の中の文字は切迫を極めていて、私たちも底知れぬ不安を感じました。

でもね。
ここは日本です。世界随一を誇る治安のいい国です。
そもそも、たった1つのアイドルグループのコンサートが中止になったとて、そこのファンを狙う「悪い奴ら」がどこからともなく這い出てきて女の子をどうにかするなんて、そんな訳ないじゃないですか。


夜のワイドショーを見て、またビックリしました。
「NEWSコンサート中止 会場パニック 手越祐也が土下座」
おいおいおい、どういうこと?と。
先述した通り、会場は至って冷静だったし、てごは土下座なんてしてなかったし、倒れた方や体調不良の方はいらっしゃいましたがパニックにはなっていませんでしたし。

報道を疑ってかかるようになった、というのは私の心境の変化の1つとして大きいかもしれません。
本当は違うのではないか?悪い側面だけが報道されているのではないか?
手越くんが言うように、「自分の目で見たことだけを信じろ」は、このご時世だからこそ必要な心構えかもしれませんね。

 

②実際に会場はどうだったのか

お昼は日差しが強くて気温も高く、夏らしい陽気でした。
グッズ売り場は美術館の駐車場ゆえ日影が一切なく、この列で熱中症になってしまう方が多かったです。
(ちなみに私は前日の26日にこのグッズ列で軽い熱中症になっています。死に物狂いでコンビニに駆け込みポカリ500mlを一気飲みした記憶がありますが、その前の記憶が全部抜けている恐怖体験。)

 

異変が起きたのはMC中で、急に冷たい強い風が吹き始めて、まっすーがT.M.Revolutionのモノマネして「タカヒサマスダレボリューション!」とか話していたのを思い出します。
当時は「涼しい~!」くらいにしか思いませんでしたし、MCが面白かったのでなんにも気にしていなかったのですが、今思えばこれはゲリラ豪雨の予兆」ですね。

Beautiful Rainへの映像の途中、雷が光り始めました。
あまりにも情景とマッチしすぎて、照明かと思うぐらい。
ただ歌唱中に小雨が降り始め、霧雨のような雨だったので「すごいすごい!本当のBeautiful Rainだ!」なんて会場が沸いていたのを覚えています。

事態が急変したのは次曲の2人/130000000の奇跡
美しかった雨が強雨になり、シャワーのようになり、2番サビが終わったころにはホースの先を向けられたかのような雨でした。
タオルを被っていましたが太刀打ちできず、これは…!と思い咄嗟に携帯をコンビニ袋の中に3重にして入れ、うちわと一緒にカバンに入れて椅子の下に押し込みました。
しかしあっという間に下着までびしょ濡れになり、2人/130000000の奇跡が終わるころにはまるで服のまま海の中に飛び込んだかのような感覚でした。

 

「一旦ストップ!!」
という慶ちゃんの声と共に客電が点き、
「雨凄いね…」
と、コヤマスとファンで呆然としていました。
忙しなくイヤモニを抑えていましたから、裏では様々な指示が飛び交っていたのでしょう。
そうやって指示を聞きつつ、慶ちゃんかまっすーのどちらかは必ず、絶え間なく話を続けてくれ、ファンの不安な気持ちを少しでも和らげようと尽力する姿勢にますます2人を好きになったのを克明に覚えています。

 

「俺着替えちゃったけど!?」
とおどけながらピンクのスーツでシゲが現れ、次いでTシャツ姿のテゴちゃんが神妙な面持ちでステージ上に戻ってきました。

通常の流れでは、直後この2人のソロだったので、2人がハケたタイミングでスタッフさんと協議したのでしょう。リーダーだからと慶ちゃんが行くよりスマートで最善の対応でした。話し上手な慶ちゃんが繋ぐのがあの場では間違いなく一番最善でした。
慶ちゃんはメンバーのリーダーですが、ファンのリーダーでもあります。(詳しくは10周年のDVD見てくれよな!)
あの場でまとめるべきは、意志のしっかりした3人ではなく、結果待ちで落ち着かない心境のはずだったファンの方で間違いなかった。
つくづく、慶ちゃんがリーダーで良かった。最高だ。

 

その後慶ちゃんの口から中止と、明日同じ時間に、同じ場所で振替公演が行われることが発表されました
「明日来れない子はどうなるの?」と泣きそうな声で呟くてごちゃんの横顔があまりにも切なくて、その心遣いが優しくて、どうしようもなくこの人を好きでよかったと胸が締め付けられる思いでした。

すぐにスタッフさんがステージ上に立ち、改めて明日の振替公演の詳細を読み上げました。
27日のチケットの半券で入場できるので捨てないでください、という内容。

 

28日に入場した人の半券の裏には赤チェックが入っています。

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そして規制退場が始まりました。
ここでNEWSはハケるようにスタッフさんから指示がありましたが、「最後の1人まで見送る」と、捌けることを拒否しました。
傘も頑なに受け取ろうとはせず、ビニールに覆われたマイクを片手にステージ上から離れることはありませんでした。

徐々に体調不良を訴えるファンや、倒れてしまうファンが出始めます。
メンバーは脇目も振らずにステージ上、会場中を駆け回り、「スタッフここ!過呼吸!」「こっち!早く!」と、目ざとく体調不良のファンを見つけてはスタッフさんを呼んでいました。

勿論スタッフさんも総出で対応してくれていましたが、広い会場内で大勢の中から体調不良を見つけ出すのは困難なうえに効率が悪いです。
また客席でも真ん中あたりの方が体調不良だとしたら、


通路側のスタッフを呼べる位置のファンまで伝える

通路側のファンがスタッフを呼び止める


という一連の伝達に時間がかかります。
上から見えている彼らが「どこにいる」と指示を出した方がはるかに効率的ですし、近くにメンバーが来て「そこ!」と指示することにより、周りのファンも体調不良の方を通しやすいよう道を開けたり、肩を貸したり担いだりと、協力体制を整えやすい。
いま改めて振り返っても、とても素晴らしい上に効率的な対応だったと思います。

 

また、メンバーが近づくと騒いだり手を振っていた一部のファンに対し、まっすーがぴしゃりと「静かにしろ、やめろ」と意志を伝えたのを称賛したいです。
自らのキャラの保身ではなく、その場が本当に切迫した、冗談抜きで人の命が関わっている危険な状況であることを伝えたのはアイドルの鑑。こういう時NEWSのメンバーは本当に男らしくて頼りになって、改めて好きになってしまう。


一方客席ですが、客電が点いているとはいえ、20時近かったのでかなり真っ暗でした。
私はスタンドにいたのでスタンド(屋根のないほう)の状況しかお話しできませんが…。
もっとも、私は別件で何度も来たことがあり秩父宮の構造を熟知していたので迅速に動けたのですが、きっとそんなに秩父宮に来たことがなかったであろう全てのファンがパニックにならずに動けたのは集団心理に負けず冷静沈着にすべての人が助け合った結果だからだと思います。

 

そもそも秩父宮ラグビー場はコンサートをやる会場ではない(恐らく前代未聞)し、ラグビーの試合は基本昼間にやるものなので、ナイターを日常的にやる野球場とは違い、電灯などの設備は十分とは言えないのは特性上仕方ありません。

真っ暗なうえにびっちょびちょで足元最悪な階段や通路で、
「この先階段あるよ!」
「段差!段差気を付けて!」
「大丈夫?肩貸すから私に掴まって!」
「屋根きたよ!傘たたんで!」
思いやりの掛け声が溢れていました。
こういう時金切り声で叫ぶとパニックの引き金になりがちなのですが、誰もキンキン叫ぶことなくお互い落ち着いた声色で「掛け声」をしていました。
お陰で大きな混乱なく、互いが互いの手を取り合いながら1歩1歩確実に、迅速に退場していました。

 

そして声を掛け合った人と離れ際に必ず交わした挨拶、
「明日またここで会いましょう!」
勿論顔を付け合わせて「会えたね!」なんて出来ないでしょうが、NEWSの素晴らしい対応とこの危機的な状況の中で、こうやって励ましあって支えあって過ごせたのは奇跡みたいなもので、「NEWSファンは素晴らしい」と言われる所以を身をもって体感した瞬間でした。

あの状況で「また明日!」と笑顔を見せあえたこと、その対応と勇気は称えられるべきだ。
ほんっと、いいことは一切報道されないんだから情けない。

 

会場を出ると救急車が何台も止まっており、ことの重大さを改めて痛感し、恐ろしくなりました。
ビニールシートがかけられ、まるでドラマの中で人が亡くなった事故現場のような様相だったんです。

 

駅までの道のりに勿論不審者などおらす、雨の中走って信濃町駅に向かいました。
途中救急車と何度もすれ違い、ああ、こんなに大変なことになっているんだ、と冷静と混乱が入り混じってきました。

相方は当時からシゲ担の名に恥じぬ聡明な人だったので、ミニストップで雨がっぱを買うよう私に提案してきました。
「もう電車乗るのになんでカッパ買うの?」
「上から着て保温するんだよ。電車の中冷えてるだろ?これ以上の低体温になるよ。意地でも明日行かなくちゃ。」


ここで買い物をしたわけですが、前述のとおりコンビニ内は長蛇の列ではありましたが風紀の乱れは一切なく、みな「ほんっと凄い雨!大変だね~!」「メンバー大丈夫かなあ。」「テゴこのあとアース生放送なのに」なんて口々に話しながら目的のものを調達していました。

 

そんなこんなで飛び込んだ駅前のミニストップの対応は本当に素晴らしいものでした
雨がっぱが入ってすぐの場所に大量に置いてあり、私の相方のような判断をした人、そうでなくても雨がっぱが目に入って同じように保温をする判断をした人は少なくないのではないでしょうか。


タオルや雨傘なども近くに用意してあり、みなそれらを手に取ってレジに向かっていました。
神宮球場秩父宮、国立競技場など名だたる屋外競技場がそろっていますから手慣れたものだったのでしょうが、救われました。
温かい揚げ物も豊富に揃っていましたし、勿論おにぎりやパンも十分に揃っていました。
だからネットで騒がれていたのは本当に「余計なお世話」だったのです。


【総括】


何度も繰り返しますが、冷静でした。
もちろん体調を崩された方、救護に当たった方や医療従事者の方にとっては冷静でいられなかったでしょうが、私のような大多数の「倒れずに耐えられたファン」は明日に備えて帰路につくことを第一に考えていました。
なんにせよ大きな混乱はなかったと言い切れます。

 

③振替公演日の話

ネット上では炎上騒動が加速していました。
がしかし、私は自宅に帰ってすぐにお風呂に入り、報道に絶望してから明日に備えて早々に寝てしまったので、夜通し続いたその騒ぎにはあまり参加せず爆睡していました。
(当事者なんてそんなもんです。騒いでいたのはあくまでも外野

 

翌朝起きると、高校の友達や先輩からたくさんの「大丈夫?Twitterすごいよ?」という連絡が来ていました。
私はというと、めっちゃ元気でした。
先輩たちに御礼と振替公演のことを簡単に返信し、Twitterを開き、ドン引きしつつ錯綜する情報を追いました。

 

泊めてくれとせびった挙句、もてなしで出した寿司に文句を言った人。
NEWSのグッズを身に着けているからと狙われた人。
果たしてそんな人は本当にいたのでしょうか?
騒ぎに乗じて作り上げられた架空のエピソードではないのでしょうか?

(※補足:ファン同士の助け合いで泊まる泊めてもらうということはありました。勿論優しさの上に成り立っていたものですから、報道や噂されていたような「悪さをするため」ではありません。)

 

それでも一抹の不安を覚えながら会場に向かいました。

杞憂でした。

満席。周りみんないる。
そもそも、その当時、東京公演はオーラスではなかった上、ファン数も今と比べたら少なかったですし、普通に自宅に帰れる人orホテルを取っていた人が多かったのでしょう。

(※補足:お仕事で行けなかった方などが、行ける方にチケットを譲っていることも多かったです。)


素晴らしいこともありました。
ネット上では「自宅に帰れない人がいる」「雨でびしょびしょ」という情報がとにかく先行していましたので、
「ジャニオタでパーナさんを助けよう」
という一大ムーブメントが起こっていました。
勿論私もそれを把握したうえで、「どの位本当にいるんだろう?」と内心楽しみに会場に向かいました。

公演期間中、避暑地として開放されていた国立競技場の周辺にはビニールシートを広げた方々が。結構大勢いらっしゃいました。

雨で壊れたうちわを修復するための素材を提供してくれる方、不要な服を参戦服の替えに使ってほしいと服を広げている人、飲料を提供してくれる人。
見た目はフリーマーケットのようでした。
ネットのデマは悪意のあるものが多くてウンザリしましたが、そのデマを見て本気で心を痛め、本当に助けに来てくれる人がいるという現実はあまりにも美しいと思ったのです。

SMAP、嵐、Kinki、JUMP、エイトなどなど。本当に多岐にわたったジャニーズグループのファンの方が大集合してNEWSファンを支えて下さいました。

 

私が入った国立競技場の女子トイレの鏡の前に生理用品がおいてあり、こんなメッセージが添えてありました。

”パーナさんへ ご自由にお使いください。 黄色エイターより。”

まだ脱退して2年と経たず、今よりも6人のNEWSの面影を重ねる人も少なくなかったあの時期。
錦戸くんのファンが今のNEWSのファンを支えようと行動を起こしてくれたという事実にじんときてしまいました。
なぜ写真を撮っておかなかったのだろう、と少々後悔もしましたが、あの当時はその優しさにカメラを向けるなど無粋な気がしたんですね。
シャッターを切るべきではない、優しさは優しさとして受け取るべきだ、と高校生ながら感じたのでした。

 

 

おわりに

あの時感じたすべての感情を言葉にすることはできません。
けれど、こんな簡単な感情じゃなくて、喜び、感動、怒り、悲しみ、やるせなさ、愛おしさ、憧れ、尊敬…すべてがごちゃごちゃになってどうしようもない気持ちになっていました。

時間にしてたった2日ですが、人の優しさ、目に見えない匿名性の恐ろしさ、報道への懐疑、親友とのかけがえのない絆と経験、そして心から人を好きだと思い尊敬する気持ち。
思春期の多感な時期に、学校という狭い世界から一気に飛び出して、たくさんの大切なことを学びました。

親友とは今もあの日を思い出して懐かしみます。
良い意味で一種のトラウマなのか、夏の日に雨が降ると、無性に外へ飛び出してあの日のようにびしょ濡れになりたい、と思ってしまいます。

「一生NEWSについていく!シゲみたいに素敵な人になる!」
「私も!祐也みたいに、4人みたいに素敵な人になる!」

雨の中、靴擦れしたサンダルを脱いで裸足で駅まで走りながら相方と2人で話した誓い。
私たちは今でもすべての根底でNEWSを尊敬していて、NEWSを愛しています。


私の思い出話に過ぎませんが、毎年夏になるとどうしてもどこかでこの日の話をせずにはいられないのです。
間違いなく私の人生の中で一番衝撃的な1日で、「人生が変わった1日」。
少なくとも様々なものに対する価値観は変わりました。

取り留めがなくなってしまってごめんなさい。
ここまで長文を読んでいただきありがとうございました。

私はこれからもきっと、ずっとNEWSを愛し続けるのだと思います。
どうかNEWSの前途が素晴らしいものであってほしいと願わずにはいられません。

 


余談

実は父が昔からのラグビーファンなので、秩父宮は私にとっては馴染み深く、慣れ親しんだ場所でした。
幼いころ父に連れられ、ラグビーが全く分からない私は会場の中を駆けまわって探検していたものです。
だから秩父宮の構造、どこに入り口出口があってどこにトイレがあってどこに売店があるか…熟知していたのでした。

2013年のトップリーグ(冬にあるラグビーの大きな国内大会)を観戦しに秩父宮に行くと、芝に4つの跡がくっきり。
紛れもない、NEWSのセットを組んだ跡でした。
私はその跡を見るなり思い出がこみあげてきて、どうしようもなく涙が止まりませんでした。
今は勿論その痕跡はなくなってしまいましたが、それでもあの場所に足を運ぶと胸がいっぱいになります。